子どもは未来からの宝もの

mamacafe

<<「わたしと子育て」の続きです。)

野北さんが子育て支援の活動を始めたのは2001年。何か地域に役立てることはないかと「葉山ハッピーマザーズ」を友人達と立ち上げ、児童館で月1回の読み聞かせを始めました。

読み聞かせあり、人形による歌とダンスのパフォーマンスありの盛り沢山のプログラムなのですが、毎回1-2歳の子たちが30分間釘付けになるんですよ!準備から手伝ってくれて、呼び込みまでしてくれちゃう。楽しみにしてくれているのだなあと思います。

この活動は今でも続けています。

ーそんな子育て支援の活動をしている団体がいくつか集まり、町で「子育てフェスティバル」を開催したのをきっかけに、2007年にNPO法人「葉山っ子すくすくパラダイス」(以後「すくパラ」)をたちあげました。お子さんを家庭で預かるファミリーサポート事業を開始しましたが、現在その事業は葉山町にできた子育て支援センターに移行しています。

私達「すくパラ」の活動は、居場所ではなくて、イベント提供型の子育て支援です。

場所を借りて、毎月色々なテーマでプログラムを組んでさまざまな親子に楽しんでもらえるように工夫しています。

「ママカフェ」は海の見えるお部屋で、きれいにテーブルセッティングをして、海外在住経験のあるスタッフ手作りのドイツやフランスの家庭的なケーキ、2,3種類を出します。そして私達が保育サポーターとして、その場でお子さんを見守ります。お母さん達にしてみたらお子さんが目にみえるところにいて、しかも安心してお茶を飲めるから毎回好評で、このときはママ達もちょっぴりおしゃれしてくるんですよ。

また、月1回の外遊びのプログラム「原っぱで遊ぼう」では、広い原っぱで遊んだ後に、地元産の野菜などを使ってみんなで料理して、みんなで食べます。

ー他にも、出張保育サービス「すくパラのでるサポ」では、近くにある総合研究大学院大学と契約をしたり、地元のタクシー会社の子育てタクシーサービス開始に協力したりなど、地域に密着した多彩な活動を展開している野北さんですが、最近力を入れているのは「前向き子育てプログラム」だそうです。

海外で開発されたプログラムで、日本に導入されて4年くらいなのですが、子育てに自信が持てるようになる連続講座を開催しています。

何か問題が起きたときに、お母さん達は「私の子育てってダメだわ」って落ち込んでしまう。でもそれってちょっとしたコツを知っていればクリアできることがいっぱいあって、それを知ることで、お母さんも自信が持てるし、子どもも親に否定的な言い方をされないので満足する。お互い前向きになれる、そんな実践的なプログラムです。

育児書には色々書いてある、でもそのとおりにしてもうまくいかない・・できない私って何?できないうちの子ってなに? と、負のスパイラルに陥ってしまう。

子育て支援の活動をやってきた中で、そこにつまづいているお母さん達が多いなと感じてきました。

お母さん達が、本のとおりではなく、自分で考えて、自分で子どもと向き合って、子どもに伝えられるようになる。そうすると子どもはきちっと受けとめて変わるのです。この過程の中で親も子も明るくポジティブになっていくのを見ることができ、私自身とてもうれしいのです。

ーポジティブ・メッセージ「子どもは未来からの宝もの」

私は「子どもは未来からの宝もの」だと思っているのです。だから本当に大事だなって。

「未来からの宝ものを大事にしよう」と周りの人それぞれが思ったら、そのひとりの子どもがいろいろな人をつなぐ鍵になり、みんながやさしくなれるのではないかと思います。

それが、「こどもにやさしい町、みんなにやさしい町」という私達のモットーなのです。

そして、目の前のひとりの子ども、目の前のひとりのお母さんを大事にしていきたいとも思っています。子育て全般ではなく、今目の前にいるその子のため、今目の前にいるお母さんのためにできることがあれば、がんばりたい。

ひとりの人が幸せになるということを積み重ねれば、その周りのみんなも幸せになり、社会全体が幸せになっていくのではないかと思うのです。

親も子もさまざまな人がいます。ひとつの活動をきっかけに「すくパラ」に来てくれて、そして他のプログラムも知って自分に合うものを選んでまた来てもらえたらいいなと思って、色々なメニューを用意しています。

私がこだわるのはそこです。何か「この活動がしたい」という形にこだわるのではなく、目の前の親子が元気になるためにはどんなことをすればいいのかをスタッフみんなで常に考えていく。

その気持ちを大切に、これからも活動をしていきたいと思っています。

ありがとうございました。